出典元:オリコン
大手企業務めでイケメンな夫を持つ専業主婦の主人公。娘と3人で憧れのタワマン暮らしを始めるが、ある日、夫の不倫を発見。信頼していたママ友だけに相談していたら、瞬く間にマンション中に広がり…。「探偵紹介アドバイザー」として活動する平井仁美さんのもとに寄せられた実話エピソードが原案の漫画『タワマンのママ友に夫の不倫をバラされた』(KADOKAWA刊)は、夫婦のゆがんだ関係性とタワマンで起きた主人公の悲劇が描かれる。主人公が選んだ“本当の幸せ”とは何か。平井さんに話を聞いた。
【漫画】タワマンのママ友に“ブランドバッグ”を褒められ…小さな嘘が招いた悲劇「私が何をしたって言うの⁉」
■夫の笑った顔が嫌いだった…タワマン暮らしの“勝ち組”主婦が明かした真実「“エリート夫と結婚した私”が好きなだけだった」
――本作は、信頼していたママ友に夫の不倫をバラされたという実話で、探偵紹介アドバイザーの平井さんのもとに寄せられたエピソードが原案です。書籍化のいきさつを教えてください。
【平井仁美さん】「タワマン」「ママ友トラブル」、「不倫」といった話題は、ワイドショーやドラマでもよく取り上げられるように、誰もが少なからず興味を抱いてしまうネタです。ですが私の職業は、そんなテレビの中だけで起こるような出来事と、地道に真摯に向き合っていくことです。「よくあるゴシップ」のように見えたとしても、ふたを開けてみれば、それぞれ人間らしい苦悩がある。彼女たちをよく知れば知るほど、その心の動きに共感せざるを得ない部分も多いのではないかと思います。少しゾクッとする“人間の怖さ”を知りながらも、ひとりの主人公の成長に注目してもらいたいと思って企画しました。
――主人公の専業主婦・奈菜さんは、タワマンで“夫婦円満”を演じていました。夫の不倫にショックを受けながらも、ママ友との関係性が崩れてしまうことを異常に恐れる姿が印象的でしたが、発端は夫婦仲が円満ではなかったことですね。
【平井さん】実は旦那さんも奈菜さんも、お互いに愛情を感じていなかったんですね。私が奈菜さんからのお話で驚いたのは、「夫の笑った顔が嫌いだった」という言葉でした。旦那さんが楽しそうに笑ったりすると、それがなぜか憎くて仕方なかったんだとか…。のちに、「“エリート夫と結婚した私”が好きなだけで、純粋に旦那さんの幸せを願えたことはなかったかもしれない」と振り返っていました。
――見栄や自尊心にとらわれて「結婚」を選んでしまったんですね。
【平井さん】「結婚」というキーワードからは、明るくキラキラとしたイメージを連想しがちですが、奈菜さんたちのように「離婚したいわけではないけど、うまくいっているわけでもない」というご夫婦って、じつはかなり多い印象です。でも本人はジレンマを抱えていて、「不倫」というトラブルが起きてしまう気もします。