今月のお笑い 1本目 ウエストランド井口と作家飯塚が語る「2022年5月のお笑い、どうだった?」(お笑いナタリー)

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出典元:お笑いナタリー

テレビ、ラジオ、ライブ、YouTube、SNS……お笑い界の出来事を1カ月ごとに「今月のお笑い、どうだった?」と振り返っていく新連載「今月のお笑い」がスタート。かねてより交流のあるウエストランド井口と構成作家・飯塚大悟を話し手に迎え、独自の視点で気になったトピックを毎月語ってもらう。第1回は「2022年5月のお笑い」。ざっくばらんなおしゃべりのため、話題に多少の偏りがあるのはあしからず。なおヘッダーイラストは、マンガ家の清野とおるが2人をイメージして描いてくれた。

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構成 / 狩野有理
ヘッダーイラスト / 清野とおる

■ 人生初のネタ見せで出会った作家は誕生日会を開いてくれる
──「今月のお笑い」の話をする前に、まずお二人の関係性を紹介させてください。

井口 飯塚さんは、僕の誕生日会を主催してくれている人です(笑)。

飯塚 僕が芸人さんとごはんに行きたいときに「井口くんの会」として呼ぶっていう。

──そんな付き合いが始まったきっかけは?

井口 僕らが結成して最初のライブのネタ見せに作家として飯塚さんがいて。人生初のネタ見せをしてもらったのが飯塚さんだったんです。

飯塚 初舞台?

井口 お客さんが2人くらいしかいないライブにはその前にも1、2回出たことがあったので、厳密に言うと違うんですけど、もうほぼ初舞台ですね。2009年1月のライブで、ネタ見せは2008年の年末でした。

──飯塚さんは覚えていますか?

飯塚 覚えてます、覚えてます。面白そうな雰囲気はあるのに、井口くんが自分の見た目が面白いってことに気づいていなくて。普通にイケてる人としてツッコんでたから、「君のほうが変だよ」って言った記憶がある(笑)。

井口 結成したてですから! そのときはまだカッコいい漫才師に憧れてたんですよ。

飯塚 誰に憧れてたの?

井口 アンタッチャブルさん。「オンバト」を見ていた世代なので。

飯塚 柴田さんのつもりだったんだ。

井口 そうです(笑)。でも、もしそこで飯塚さんに出会っていなかったら、しばらくそのままやって何年か棒に振っていたかもしれないし、もっと言えばウケなさすぎてやめてた可能性もありますから。そう思ったらラッキーでした。あと、そこにラブレターズやニッチェもいたんですよ。

飯塚 確かラブレターズもそのライブが初舞台だったんだよね。

井口 あいつらはもともと役者とかやってて、ずりいなとは思ってましたけど(笑)。ラブレターズとは年齢が1つしか違わないし、初舞台も一緒。真の唯一の同期って感じです。

飯塚 そのライブは黒歴史なので詳しくは語れないですけど(笑)、ウエストランドとかラブレターズの印象はすごいある。

──そこからどうやって誕生日会をする仲に?

飯塚 僕が個人的にライブを開催していて。

井口 「つぶぞろい」。伝説のライブですよ。

飯塚 誰も知らない伝説のライブね(笑)。ウエストランド、三四郎、マヂカルラブリー、浜口浜村、トム・ブラウン、ジグザグジギー、R藤本さんとかに出てもらっていました。

井口 懐かしいですね。そこに出ていた芸人、みんな活躍しているじゃないですか。あ、でもぽ~くちょっぷがいるか。

飯塚 だいたい売れていったか、解散したか。どっちにもなってないのがぽ~くちょっぷ。

井口 そうなんですよねえ(笑)。

飯塚 ライブを見に行って面白いと思った人や噂で聞いた人をブッキングしてましたね。自分で事務所に電話して企画書送って。手伝ってくれる人もほとんどいなくて、イープラスに個人で登録してました。あとは曲を選んだり、フライヤー作ったり。そのときって今ほどお笑いブームじゃなかったから、けっこう周りから「何やってんの?」って言われてた。

井口 「変なことやってんな」みたいな?

飯塚 そうそう。「え、趣味でお笑いライブやってんの?」って。僕は好きだからやってたし、今はそれが仕事をする上でもすごく大事な財産になっていると思っていますけど。

──そんな昔からよく知るウエストランドの近年の活躍を飯塚さんはどう感じていますか?

飯塚 「M-1」決勝が決まったときは大声が出ましたね。新宿の映画館でやっていたライブビューイングで準決勝を観ていて、「これ行くかも」とか思いながら結果発表を待っていたんです。で、ウエストランドが呼ばれたときに「うおー!」ってその会場一のでかい声を出しちゃって、すごい変な感じになってました(笑)。ウエストランドが面白いのはもともと芸人さんたちも、テレビのスタッフも知っていて、「面白いんだから早くなんかになってくれよ」ってみんなが思っていたんですよ。きっかけさえあればみんな呼びたいし、仕事したい。なのに、全然なんにもならなくて、ただ面白いだけだったからなかなか声をかけられなかった。

井口 飯塚さんは「何かにならないと呼べない」って言い続けてくれていたんですけど、こうして今いろんな番組に呼んでもらえるようになって、より意味がわかりますね。「M-1ファイナリスト」って肩書がいかに大事か。

飯塚 会議で「ウエストランドどうですか?」って安易に言えないんですよ。癒着だと思われる(笑)。「お前それ好きなだけだろ」「ちゃんと考えろよ」ってなっちゃうと思うから、よほどのとき以外は言えなくて。「早く言わせてくれよ」と思ってました。

井口 本当によほどのときに、たまに呼んでくれていましたよね。

飯塚 「俺の持論」ね。

編集部注:「俺の持論」は2017年10月から2018年3月までテレビ朝日で放送されたプレゼンバラエティ。井口は「飲食店バイトを必修科目にすべき論」を展開。

井口 はい(笑)。よほどだったんだなっていう。

飯塚 「ここだ!」と思って、マネージャーさんとも直接やり取りしてた気がする。あと勝手に井口くんにも連絡して。

井口 ライブ主催してたときと手法が変わってないじゃないですか(笑)。

■ いいなあ、「ツギクル芸人」
──ではここから「5月のお笑い」を振り返っていきましょう。

井口 やっぱりまずは「ツギクル芸人グランプリ」(参照記事:ストレッチーズ「ツギクル芸人グランプリ2022」で優勝)ですかね。

飯塚 自分に関係なくない?(笑)

井口 そうなんですけど、「わらふぢなるお出てるな」とかは思ってましたよ。

飯塚 もっと言うと、予選に三拍子やオジンオズボーンも出てたからね。

井口 楽屋でみんな言ってましたよ。「“ツギクル”とは……?」って(笑)。

飯塚 「ツギクル」の範囲が広がったんだろうね、錦鯉のおかげで。今「キテ」なければ「ツギクル」になれるっていう。

井口 飯塚さんは予選から見ていたんですよね。

飯塚 審査員をやらせてもらってた。

井口 僕は(前身の)「お笑いハーベスト大賞」の時代からこの大会に無縁だったんで、いいなあって思ってました。特に「ツギクル」になってからすごいじゃないですか、規模とか。

飯塚 地上波放送でね。MC爆笑問題さんで。ネタ終わりでひとこと言ってくれるのがいいよね。ラジオでも話してくれていたし。

井口 あと、副賞で各局出られるんですよね? それがでかい。「ハーベスト大賞」覇者のルシファーさん(参照記事:ズドン!ルシファーが優勝、ハーベスト大賞)が怒ってましたよ。芸歴4年でタイムマシーン3号とかアルコ&ピースをなぎ倒して優勝したのに。そのとき唯一の副賞で「エンタの神様」の出演権はもらったみたいですけど、下ネタすぎて出られなかったっていう(笑)。

飯塚 あはははは(笑)。

井口 5月に決勝っていうのもいいですよね。「キングオブコント」も「M-1」も予選が始まってない時期だから、芸人はこれはこれでしっかりやろうって気持ちになる。あと、リアルなことを言うと、「M-1」で出せなかったネタをここで出せるじゃないですか。「M-1」の予選でやったネタって、本当にもうどこにも出せないので。こっちの熱量もありますし。

飯塚 「M-1」「キングオブコント」でかけたネタって、予選で通らないと死んじゃうんだよね。来年の賞レースではそのネタは使えなくて、「おもしろ荘」や「ツギクル芸人」でやってる人は多いと思う。

井口 なんか、いいなあって単純に思いましたね。ストレッチーズ、今ライブでもめちゃくちゃウケているし、なんか……人気も出てきてるんですよ。

飯塚 いいじゃん(笑)。

井口 今までけっこう意地悪で「こいつら人気ねえなあ!」とか言ってたんですよ。ストレッチーズやさすらいラビーに対して、「三四郎は当時もっとすごかったよ」って。

飯塚 ファンアートも描かれるようにもなって。

井口 そうなんですよ!

飯塚 ファンアートを描かれる描かれないの境界線ってなんだろうね。

井口 浜口浜村なんて一時期、デッサンモデルとか言われてましたから

飯塚 あはははは(笑)。いや、浜口浜村が今いたらなあって本当に思うよ。

井口 タイミングですよね。一番勢いがあるときにお笑いブームが来ていれば。

飯塚 元スパナペンチの永田敬介さんって今漫談やってるんだけど、「俺が一番調子よかったときなんでM-1やってなかったんだよ!」ってネタで言ってて。面白かった。

井口 あいつ、一時期変な奴になって、エロいことばっかり言ってましたけど、最近本当のニンが出てきてきたというか。

飯塚 昔からスパナペンチも面白かった。真空ジェシカが同期で。

井口 ストレッチーズとかの今の学生お笑いの先駆けみたいな感じですよね。

■ ラブレターズ溜口結婚
井口 コロナ禍だから、ためちゃん(ラブレターズ溜口)とかみんな急に結婚するんですよ(参照記事:ラブレターズ溜口が結婚、突然の報告に相方塚本は尿意)。彼女いたんだ!みたいな。育んでる段階を知らないから怖いですね。(三四郎)小宮さんも結婚して、ラブレターズは2人共。軒並み僕の周りが結婚し始めた。で、(モグライダー)ともしげさんも一応婚約してるじゃないですか。でもやけに結婚しないから「怪しいな」とはなってきてます。売れ出してから全然しない。

飯塚 (人気ぶりを)味わってるんじゃない?

井口 それが怖いんですよ! 早くしてくれよっていう。

飯塚 井口くんは結婚するのかな、したらどうなるのかなとは思う。

井口 今のところないですね。味わいたいし。

飯塚 味わえてるの?

井口 味わえてもないんですよ! 意味ないんすよ。

──「芸人の結婚」についてどう思いますか?

飯塚 「モテたい」みたいな題材のネタができなくなるっていうのはあるかもしれませんけど、テレビに出るときは妻帯者のほうが発言に説得力が増しますよね。

井口 それはすごい思います。

飯塚 「本当にやばい人じゃないんだ」っていう見られ方。本当にやばい人は引いちゃうけど、人間的な部分はちゃんとしてて、その上でネタがぶっ飛んでるっていうほうが笑いやすい。永野さんもよく言ってますよね。結婚してから売れたって。

■ みなみかわの妻、大車輪の働き
飯塚 あと一応メモしてたのが、「みなみかわさんの奥さんが大活躍」。

編集部注:みなみかわの妻がInstagramのアカウントを作成し、先輩芸人たちに自ら夫を売り込みしていたことがさまざまな番組で話題に。実際にみなみかわはDMがきっかけで東野幸治のYouTubeチャンネルへの出演を果たし、「アメトーーク!」でも妻の活動ぶりを語っている。

井口 いや、一番活躍したんじゃないですか? どのマネージャーより売り込んでる。

飯塚 新しいですよね。バイタリティがすごい。DMに集中するために仕事をやめたとか(笑)。

井口 めちゃくちゃですよ(笑)。でも今の時代、みなさんYouTubeとかやってるから、ポンと出られる可能性は全然ある。テレビ局に突然メールしてもスルーされるだけでしょうけど。

■ 宇宙の子はNEXTフワちゃん?
飯塚 あと単純に面白いなと思ったのが、さらば青春の光のYouTubeに出ていた宇宙の子っていう女芸人さん。

井口 どういう人なんですか?

飯塚 性にアグレッシブ。でも嫌な感じじゃなくて、ハッピーだから楽しいんだよね。テレビにすぐ出られたりするわけじゃないだろうけど、フワちゃんをAマッソのYouTubeで見たときの衝撃に近いものを感じた。あとは言っていいことのボーダーを掴めば、テレビでもいけそうな雰囲気があった。

井口 しゃべりが面白いんですか? キャラが?

飯塚 キャラが明るくて、面白い。さらばとも初めましてだったみたいだけど、絡み方もうまいし、先輩をイジったりもできる。去年までは地獄パワフルっていうコンビで活動していて、「THE W」にも出ていたんだけど、絶対に下ネタなの。ネタは面白いんだけど、めちゃくちゃな下ネタ(笑)。きっかけがあれば、と思ってたんだけど解散しちゃって。で、さらばのYouTubeで久々に見た。

井口 フワちゃんが出てきたときって、飯塚さんもそうですけど、芸人もみんなざわついていましたよね。そのときに詰めようとしたんですけどね、距離を。

飯塚 詰めきれなかった?(笑)

井口 イベントで一緒になったら話しかけたり写真撮ったりしてたんですけど、もうギューンッ!って行っちゃったんで。トンツカタン森本くんほど詰められなかったですね。宇宙の子との距離は今から詰めときたいところです。

飯塚 今さら言うことじゃないけど、フワちゃんの社交性って驚異的。「俺、フワちゃんと仲いいんすよ」みたいなテレビスタッフ、いっぱいいるんだよね。

井口 あはははは!(笑)

飯塚 みんなにそう思わせるフワちゃんがすごい。

■ 井口、「マルコポロリ」で東野幸治のお気に入りに
井口 また来週も(収録に)行くんです。今度はコンビで。

飯塚 激ハマりだ。あれくらいやってくれる人って東野さんくらいだよね。井口くんに真剣で斬りかかってくれる人。

編集部注:東野幸治MC「マルコポロリ!」(関西テレビ)の4月放送「モグライダーと仲間たち」に登場した際、東野幸治から容赦ないイジりを受けては反撃した井口。そのやり取りが多くの視聴者の心を鷲掴みに。5月には「東野幸治 被害者の会」として出演。再びバカにされては言い返すという攻防を繰り広げ、またも大きな反響を呼んだ。

飯塚 東野さん以外にいる? この人の追い込み方すごいな、絶対面白くしてくれるなっていう芸人さん。

井口 千原ジュニアさんは「河本ええなあ」ってやってくれるので、「何がいいんすか!」ってできるんです。ただ、やっぱり「M-1」出たあとだと「すごいね」「がんばったね」みたいな雰囲気が勝っちゃうので、なかなかイジられにくいことも多かったですね。「マルコポロリ」では東野さんから伝播してみなさんそれに乗ってイジってくれたのでありがたかった。

飯塚 関西では調子いいね。

井口 こうなったら関西を中心にやってく可能性ありますよ(笑)。

飯塚 井口くんは「マルコポロリ」とか「さんまのお笑い向上委員会」(フジテレビ)とか、荒れ地が得意だよね。ジープ芸人。

井口 みんなが「しんどい」って言ってるところのほうが意外とやりがいがあったりしますね。難しいですけど。

飯塚 最近、モテない芸人で何かやろうってなったときに名前を挙げられる人がどんどん減っていて。小宮くんも結婚したし、もう井口くんかカカロニ栗谷さんか。顔も知られていて、モテないキャラを背負える人っていないんだよね。

井口 そういう枠ってずっとありましたよね。その筆頭だったアンガールズ田中さんも彼女ができたっておっしゃっていますし、もう誰も担う人がいない。

飯塚 井口くんと栗谷さんでやっていくしかないね。

井口 フィーリングカップルみたいな企画で僕、女性陣から遠慮なく「嫌」って言われますからね。

飯塚 すぐ「嫌」って言える人はなかなかいない。貴重だよ。「私、井口さん嫌です」って言いやすいもん。安心して言える。ほかの芸人さんだと女性ファンの気持ちとかがよぎるけど、井口くんは大丈夫。

井口 すごい言うじゃないですか! でも、なんか大丈夫なんですよね。納得はいきませんけど。

飯塚 ファンも喜んでくれるし。井口くんのファンは、井口くんがめためたにやられてるほうがうれしいから。

井口 さっきのジープ芸人の話もそうですけど、図らずも人がほとんどいない枠に入ってるのかもしれないです。

■ しんいちとZAZYのセット
飯塚 お見送り芸人しんいちくんが「R-1」のトロフィーを持ってきて、ZAZYと一悶着っていうのがワンパッケージになってるなっていうのも思いました。

井口 しょっちゅう見ますね。

飯塚 新しいと思う。今まで「R-1」優勝者って、ネタ以外にやれることがあんまりなかった。人となりを掘っていくのも何回も続かないし、コンビだったら「こいつこういうところあるんですよ」ってお互いを刺し合ってトークできるけど、ピンだと自分で自分のことを言うのも変。それってけっこう「R-1」王者の難しさだったと思うけど、しんいち・ZAZYっていうのは新しいパッケージ。「R-1」史上、平場で戦う発明としてすごいなと思った。

井口 しかも、どっちがいい悪いの正解が一向に出ないから永久に楽しめる(笑)。言ってることはZAZYが合ってるけど、ZAZYはZAZYで誰もついてきてないから、何も解決してないっていう。

飯塚 どっちかが圧倒的に勝っているわけじゃないから、延々とトムとジェリー状態。それにみんなの興味もさほどなくて(笑)。そこがいいんだよね。

井口 だから何番組でもできる。

■ 「行列の先頭」から真空ジェシカ問題へ…
井口 K-PROの「行列の先頭」がLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)でありました。普段の会館ライブって営業ネタというか、老若男女がわかるネタをやるんですけど、最前線のネタを2000人の前でやってウケるっていうのがすごい気持ちよかったですね。「最新のネタが見たいんだ!」っていうお笑いファンが2000人も来ている状態は初めての体験で。

飯塚 今になってみれば、普通にウエストランドがK-PROのライブに出ているのも不思議。昔は出てなかったでしょ?

井口 全然出てなかったです。K-PROライブの数も少なかったとはいえ、本当に何カ月かに1回くらい。

飯塚 当時K-PROに出ている芸人さん像と違ったよね、三四郎とかウエストランドは。そこからお笑い界の雰囲気が変わってきた。三四郎、ウエストランドを面白がれる空気がだんだんできてきたというか。それが今のランジャタイの人気にも繋がってると思うんだけど。荒れっぽいのもありなんだ、みたいな。

井口 ランジャタイや真空ジェシカがライブでめちゃくちゃ人気になってきて、どうなっていくんだろうとは思いますけどね。個人的には、ちょっと荒れすぎなんじゃないかと(笑)。

飯塚 真空ジェシカ問題ね(笑)。真空ジェシカがやってる“逆ニッチェ”、「どうするのがいいかな?」っていう話をニッチェともしたことがあって。積極的に触れていくのは野暮だし、知らないくらいがちょうどいいけど、かと言ってずっと何もしないのもどうなんだろう、答え出ないねって。だから、「もっと売れなきゃダメだな」っていう結論になった。「ニッチェ」という人選が今絶妙なゆえに面白いわけだから。

井口 絶妙な位置にニッチェさんが行っちゃってるっていう。

飯塚 そうそう。そこにいるニッチェが悪いってことになった(笑)。真空ジェシカにイジられないようにがんばる。

井口 それが1つの指針になるかもしれないですね(笑)。真空ジェシカにイジられない位置はどこなんだっていう。そのへんあいつら一番絶妙なところ突いてくるから。

飯塚 もちろん彼らに悪気はなくて、本当にシンプルに、学生のときの延長線上でやっているんだと思う。本人たちもそんなことを言っているのを見た。その状態で自分たちが売れてきちゃって。さらにお笑いファンにもその面白さが伝わってる。

井口 めちゃくちゃなことも正義というか、そういう系統がウケる流れにはなってきてますよね。

飯塚 だから迷ってる芸人さん多いよね。昔は「ウケるためにもうちょっとわかりやすいことをやったほうがいいのかな」っていう悩みが多かったと思うんだけど、今は「もっと突拍子もないことをやったほうがいいですか」「わかりやすいことやりすぎてますか」みたいな悩みに変わってきた。

井口 こういうのって流行りがあって、「M-1」でウケたスタイルの真似が増えていくんですよね。やばいですよ、今年の「M-1」1回戦! 絶対めちゃくちゃな奴だらけですよ。

飯塚 でもウエストランドのフォロワー芸人はいないね。

井口 いないですね。

飯塚 唯一無二の漫才。誰も憧れてない。

井口 いや、マジでそうですよ。誰にも憧れられてないですから。

飯塚 ウエストランドの二番煎じって言われてる人いたら面白いけどね(笑)。

井口 (笑)。そんな奴いたら会ってみたいです。

■ 井口浩之(イグチヒロユキ)
1983年5月6日生まれ、岡山県出身。中学で出会った河本太(コウモトフトシ)と2008年にウエストランドを結成し、フリーで活動を開始。オーディションライブを経てタイタン所属となる。2013年4月に「笑っていいとも!」(フジテレビ)のレギュラーに抜擢され、最終回まで不定期で出演した。2012年、2013年の「THE MANZAI」認定漫才師、2020年「M-1グランプリ」ファイナリスト。2011年にスタートしたラジオ形式の番組「ウエストランドのぶちラジ!」をYouTube、Podcast、audiobook.jpで配信中。

■ 飯塚大悟(イイヅカダイゴ)
1982年4月13日生まれ、新潟県出身。テレビ、ラジオの構成作家。大学時代にお笑いサークルに所属し、当時からナイツや脳みそ夫、マヂカルラブリー村上と交流を持っていた。現在の担当番組は「ヒルナンデス!」(日本テレビ)、「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」(テレビ朝日)、「水曜日のダウンタウン」(TBS)、「トークィーンズ」(フジテレビ)、「オードリーのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)など。参加した特番「ヤギと大悟」(テレビ東京)は「第59回(2021年度)ギャラクシー賞」において選奨を受賞した。

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