リア・ディゾンを彷彿させると雑誌には“黒船再来”とキャッチフレーズがつけられたが「埼玉県生まれの埼玉育ちです」。海なし県だし、どうも合わない。慣れないインタビューに手汗をかくほど緊張し、話す言葉に時おり自信のなさが垣間見える。等身大の20歳。ただカメラの前に立つと途端に凛となる。
【BuzzFeed Japan / 徳重辰典】
アンジェラ芽衣は6月、「週刊プレイボーイ」の表紙を初登場でいきなり飾った。8月には「今夜くらべてみました」(日本テレビ系)で人気女優・広瀬すずが大注目する美女として取り上げられた。番組が放送されるとTwitterのフォロワーは1万人近く増え、女性のフォロワーも増えた。テレビ出演はこの時が初。緊張のあまり、撮影時の記憶はほとんどないそうだ。
「ただ、広瀬さんは本当にかわいかったです。向こうもかわいいと言ってくださって。お互いにかわいい、かわいいですと言って、恐縮しあってました(笑)」
明るくおてんばだった小学生時代。友達の紹介でアニメ「ひぐらしのなく頃に」に出合い、アニメにはまった。中学生時代は家に帰れば、アニメやニコニコ動画を見て過ごし、あまり部屋からは出なくなった。ただ、おとなしいタイプではない。友達は多く、誘われて外で遊ぶのも好き。「アクティブな引きこもり」という生活は今も続いている。
アニメ好きが高じて、高校2年生のころ「池袋ハロウィンコスプレフェスティバル」で初めてコスプレをした。
「知り合いもできたし、後からTwitterで『あの時は話しかけられなかったけど、仲良くしてください』と言われたり。好きなキャラのコスプレをして楽しかったんです」
女性カメラマンにモデルになってほしいと声をかけられ、そこからコスプレのモデルをするようになった。
芸能界には幼い頃から憧れていた。小学校で写真を撮れば、必ず写ろうとするタイプ。カメラに撮られるのが好きで、ファッションモデルになりたかった。憧れは昔も今もローラだ。
ただ、人見知りで自分からはなかなか動けないタイプ。「応募をするのが私でいいのかな、とか思って」踏み出せなかった。チャンスが到来したのは2014年、高校2年生のころ。友達と一緒に受けた「関東女子高校生ミスコン」でグランプリに輝き、“関東一可愛い高校生”に選ばれた。華々しい世界に近づいたように見えた。
「グランプリの瞬間は変わったと思いましたが、それ以外には変わらなかったです」
オーディション後に芸能事務所に所属したものの、うまくいかない。結局、事務所は辞めた。
「昔から何に対しても自信がなかった人なんです。容姿もそうだし、何に対して自信がないのか分からないくらいに自信がなかった。自信を持とうともしなかった」
そんなアンジェラに自信を与えたのが、人の紹介で始めたフリーのモデルの仕事だった。コスプレをして、カメラの前に立ち、カメラマンが思い描く世界に溶け込む。世界観があるね。そんな言葉が嬉しかった。
「写真に撮られるようになって自信が持てるようになってきました。作品撮りをずっと続けてきたから、今は撮られることに対しての自信はあります」
フリーのモデルとして活動している中、このままでいいのかと悩んだこともあった。そんな時、現在の事務所に声をかけられた。SNSにアップした写真が「かわいい」と目に留まったことがきっかけ。ターニングポイントになったのも写真だった。
そこからはとんとん拍子。雑誌のグラビアを飾る美女として注目を集めている。憧れの世界に足を踏み入れた今、芸能界での目標とはなんだろう。
「売れたいとは思います。ただ私の中で写真に撮られることが人生にとって大切なことだったので、写真に残していきたい。写真をいろんな人に見てほしいです」