ダニエル・シュミット「ヘカテ」リマスター版でリバイバル公開 蓮實重彦がコメント(映画.com)

出典元:映画.com

2006年に逝去したスイスの映画監督ダニエル・シュミットの代表作「ヘカテ」(82)が、デジタルリマスター版として、4月23からリバイバル公開される。

 外交官であり、第2次大戦後の亡命先のスイスでココ・シャネルの伝記も執筆した、戦間期の文壇の寵児ポール・モランの小説「ヘカテとその犬たち」が原作。第2次世界大戦の中立国スイスの首都ベルン。フランス大使館主催の豪華絢爛なパーティーの会場で外交官の男ジュリアンが、物思いにふけっている。その追憶の相手は、約10年前、赴任した北アフリカの植民地で出会い、狂ったように愛した謎のアメリカ人妻クロチルドだった。

 撮影は、ゴダールやシャブロル、オリベイラら巨匠の諸作を務めた名匠レナード・ベルタ、シュミットの盟友である R・W・ファスビンダーの「ローラ」「第三世代」ラウール・ヒメネスがプロダクションデザインを務め、マルグリット・デュラスとのタッグで知られるカルロス・ダレッシオが音楽を手がけるなど、世界各国から一流スタッフが集結した。

 外交官役を演じるベルナール・ジロドーが劇中で身にまとう白のリネン・スーツなどの衣装は、「クリスチャン・ディオール」が本作のためにデザインしたもの。ヒロインのローレン・ハットンは、ポール・シュレイダー監督「アメリカン・ジゴロ」(80)など俳優として活動のほか、「ヴォーグ」誌専属のモデルとしても有名で、2018年には史上最年長の73歳で同誌の表紙を飾るなど、生涯現役のモデルとして活躍を続けている。

 シュミット生誕80年を記念した今作のリマスター版の公開に際し、シュミット本人とも親交が深かった映画評論家・蓮實重彦氏がコメントを寄せた。蓮實氏は、伝説的な映画雑誌「リュミエール」の創刊号(85年)で、ビム・ベンダース、ビクトル・エリセ、クリント・イーストウッド、そしてシュミットの4人を「73年の年世代」と呼称し、特集した。

 映画は4月23日より、渋谷Bunkamuraル・シネマほかにて公開。

<蓮實重彦氏コメント全文>
求めあう男女がとりわけ大きな悦びを享受するのは、素肌で交わることにもまして、ラフなドレスをまとったままの女を、
衣服を脱ごうともしない男が背後から抱擁することによってである。
それにふさわしい懐古的なワルツのリズムと、二階の欄干という宙吊りの空間とを二人に提供することで、ダニエル・シュミットは、もっとも心に浸みる忘れがたいラブシーンを映画の歴史に刻みつけてみせた。この場面、必見である。

【広告】

快適なネットショッピングを体験しよう!!

<

コメントは受け付けていません。